ファイザー飲み薬はオミクロンにも有効である可能性
【ファイザー飲み薬 オミクロン株にも有効か】https://t.co/rnMhv2nIDH
— 日テレNEWS (@news24ntv) November 30, 2021
アメリカの製薬大手「ファイザー」のCEOは、開発中の新型コロナウイルスの飲み薬について、新たな変異株「オミクロン株」にも有効である可能性が高いとの認識を示しました。 pic.twitter.com/Cl6hfrSuK0
ファイザーのCEOは29日、アメリカ・CNBCのインタビューで、開発中の新型ウイルスの飲み薬「パクスロビド」は「ウイルスの変異を想定して開発したもので、オミクロン株を含む全ての既存の変異株に有効であると非常に自信を持っている」と述べました。その上で、有効でなかった場合に備え、引き続き薬の開発には取り組むとしています。また、オミクロン株に対応したワクチンを「100日以内に出荷できる」と強調しました。
一方、モデルナのCEOは、既存のワクチンはオミクロン株に対して有効性が低下する可能性が高いとの認識を示しました。その上で、従来の半分に減らしている追加接種の投与量を「倍にして元の量に戻すことが最初の防御策であり、すぐに実行に移せる」と述べました。
以前投稿した、「2021年、コロナ禍で年末年始はどうする?どう過ごす?気になる周りの過ごし方とコロナ禍での過ごし方。」とは状況が少し変わってきたようです。国内の感染状況は減少し、緩和制限も解除され、人流や経済も少しずつではありますが活性化してきたように思えます。
しかし、ここにきて新型変異株である「オミクロン」が海外で発見され、瞬く間にデルタ株を押しのけ感染の分布図を塗り替えてしまってきています。
新型変異株「オミクロン」とは
11月9日、南アフリカで採取された新型コロナウイルスの新たな変異株です。WHO(世界保健機関)の発表によると、ウイルスの周りにある突起、スパイクたんぱく質(人の細胞結合する役割)に、約30か所もの変異があるとがあるとされています。11月26日、WHOは、「オミクロン株」と命名、ほかの変異株に比べ 感染力が高い恐れがある【懸念される変異株】に指定しました。これは、最高レベルの警戒です。
「オミクロン」とはギリシャ文字のアルファベットから順に新たな変異株の名前を付けていて、今回は15番目の文字の「オミクロン」と名づけましたが、これまで使われていたのは12番目の「ミュー」までで、「ニュー」と「クサイ」は飛ばされた形になりました。
WHOは「ニュー」は英語で新しいを意味する「new」と混同しやすく、「クサイ」は一般的な名字であるため使用しなかったとしています。命名の際には地名や人名を使わないよう定めるガイドラインがあり、「これ以上のものではない」と説明しています。
オミクロン株は、先日まで感染力は強いと言われていた「デルタ株」よりも感染力が強く、ワクチン効果が低い恐れがあるとわれています。しかし一方で「感染力」が強い=「毒性」が強いということでもないとのことで、現状ではまだそれらのデータが揃っていないため今後の情報を待つことになります。
南アフリカの医師によると、その症状は倦怠感や頭痛、体の痛み、まれに喉の痛みや咳であり、血中酸素濃度の低下や味覚・嗅覚の喪失といったデルタ株の症状とは違っていたという。そのため医師は「収束するとは思いませんが、軽症で終わるのではないかと期待しています。」との見解を持っています。ただ感染力が強いのは間違いなく、今まで感染しにくかった、2歳児未満の幼児の入院が急増しており、毒性が強くなかったとしても抵抗力の低い幼児や高齢者にとっては脅威である事には変わりません。
イギリスのジョンソン首相は「ワクチンを2回接種した人でも感染する可能性がある」と話しており、イギリスでは、すでに「オミクロン株」の感染者が確認されたため、南アフリカなど、6か国からの渡航を禁止にするなど、警戒を高めています。
日本では男性1名の陽性確認
ナミビアの外交官男性が成田空港より28日、入国した際の検疫で陽性となり、国立感染症研究所で全遺伝情報(ゲノム)解析を行ったところ、30日にオミクロン株への感染が判明した。男性は米モデルナ製ワクチンを2回接種していたとのことです。
男性の航空便には70人が同乗していましたが、男性のほかに陽性者は見つかっておりません。政府は70人全員を「濃厚接触者」として、自宅などで14日間の待機を求めるとのことで、2日ごとのウイルス検査や、待機を守っているかどうか行動確認を実施、協力しない場合は実名公表も検討するとのことです。
日本の水際対策
政府は今年1月以降、外国人の新規入国を原則禁止してきましたが、【特段の事情】がある場合は例外的に入国を認めてきました。具体的には「日本人・永住者の配偶者や子ども」「外交など特定の在留資格を持つ人」「人道上、配慮すべき事情や公益性がある場合」。
このうち、「公益性」などの判断は、関係省庁に委ねられていましたが、「海外音楽家の日本公演も含まれる」となっていたこともあり、範囲が広すぎるとの批判がありました。このことも踏まえ30日より全世界からの外国人の新規入国の原則停止を始めており、今後、例外的に入国が許される「特段の事情」の判断も厳格化することとなったようです。
ちなみに例外的な入国を許された外国人は東京五輪が開催された7月は4万7126人に及び、9月は6919人、10月は1万999人だったようです。
ブースター接種(3回目)の予防効果は?
英国のジョンソン首相は30日、新型コロナウイルスワクチンの追加接種(ブースター接種)により、新変異株「オミクロン」への予防効果が高まる可能性が高いと述べた。放送局で「ワクチン接種およびブースター接種により、高い予防効果が得られる可能性が圧倒的に高いと考えているため、いつでもどこでもブースター接種を実施することが答えだ」と語った。米モデルナのバンセル最高経営責任者(CEO)が新型コロナワクチンについて、オミクロン株への効果はデルタ株と比べて低下する恐れがあると指摘したことに関しては、バンセル氏の発言は「おそらく正しい」としながらも、ワクチンが全く効かなくなるという意味ではないと強調した。
ロンドン 30日 ロイター
ワクチンについての有効性は各メーカーがこれから評価すると思います。既存のワクチンが効かないということになれば、オミクロン株に対応できる新たなワクチンにつくりかえる必要があると思われ、現在開発中のワクチンや治療薬もそれに対応した形になるでしょう。
現時点で私たちができることは、いまある手段を使って抵抗力を高めるということ以外になく、 ワクチンがオミクロン株にどこまで有効か不透明ではないかと思われるかもしれませんが、 3回目のワクチンの接種がその最大の対策だと言えるでしょう。
今後の対策は
これからは寒気や乾燥も強くなり、一番感染拡大を警戒する冬場の時期となってきます。国内にオミクロン株が流入した場合には、感染が広がる可能性は大いにあるだろうと思われます。
新型コロナだけでなく冬の間は医療現場は心筋梗塞であったり、脳梗塞であったりと、非常に忙しい時期にもなります。
日本は世界に比べ、感染状況が減少してきており、自粛ムードが緩和しつつあります。年末年始と外出や、人と会う機会が増えたりと人流が活発にもなってくるでしょう。飲食店に限らず、様々な経済を回すことも必要になってきます。
人流や経済の活発化が必ずしも感染拡大につながるというわけではありません。私たちがワクチン接種以外にも、一人一人がやるべき感染対策を、気を緩めることなく行っていくことが自分自身を含めた周りにいる大切な人を守るもっとも有効な対策であると言えるでしょう。